http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001548760.shtml
(神戸新聞)
(神戸新聞)
アスベスト(石綿)健康被害で三十一日、公表された事業所リスト。二〇〇七年度に労災認定を受けるなどした人が働いていた工場などは九百近くに上った。クボタ旧神崎工場(尼崎市)での深刻な被害が明らかになった〇五年から始まった公表は五回目。厚労省は今後も年度ごとに公表する方針だが、遺族や支援団体からは「石綿吸引の経緯が分からない事業所がある」「救済につながるデータを」と内容の見直しを求める声が上がった。
今回公表された事業所の中には、業種などからは、すぐに多量の石綿吸引に結び付かないケースも目立つ。リストの特記事項欄に、石綿が吹き付けられていた倉庫や事務所での勤務など、具体的な吸引場所に触れた記述もあったが、どこで、何をしていて石綿を吸い込んだかなど、全く記載されていないものも多かった。
ひょうご労働安全衛生センターの西山和宏事務局長は「定期的な公表は一歩前進」としながらも、「思いもよらない状況で吸い込み、被害を生んでいることが浮き彫りになってきている。遺族にとって不十分な情報開示と言わざるをえない」と指摘する。
芦屋市の女性(65)は今年二月、中皮腫で夫=当時(71)=を亡くした。十年前まで廃棄物の収集運搬会社に約四十年勤めていたが、仕事で石綿を扱ったと聞いたことはなかったという。夫の元同僚も「自動車の解体作業で石綿は扱ってない」と説明。ところが十月、夫の職場に出入りしていたトラック運転手が「石綿まみれの鉄骨を裁断していた」と証言。労災を申請することになった。
女性は「なぜ夫が石綿で亡くなったのかを知るため、何度も足を運んだ。遺族がそんな苦労をしなくてもすむような公表内容にしてほしい」と訴えた。
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