http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090101-OYT1T00271.htm?from=navr
(読売)

「テープは肌色でゴムのような感触だった」。

 テロリストの入国阻止をうたって導入された最新の「生体認証(バイオ)審査」をかいくぐり、強制退去処分を受けた韓国人の女(51)が不法に再入国していた事件。女は再入国が発覚して強制送還された後、今は韓国南部の都市で暮らしている。「入国審査官も気づかなかった」。女は読売新聞の取材に応じ、指紋を変造するため指にはった特殊なテープについて、特徴を具体的に語り、同じ手口で不法入国を請け負う韓国人ブローカーの存在も証言した。

 ――初めて日本に行ったのはいつか

 1999年9月。観光目的で入国し、滞在期限が切れた後は、長野で飲食店の皿洗いやスナックでの接客をしながら、ずっと暮らしていた。2007年7月に不法残留が発覚して韓国に送還されたが、交際していた日本人男性が忘れられず、日本にどうしても戻りたかった。

 ――どうやって日本に再入国したのか

 最初の強制送還の時、東京都内の入管施設で知り合った韓国人女性に依頼して、08年4月中旬、ソウル市内の喫茶店でブローカーの男と会った。指に指紋の模様がついたイミテーションテープをつける方法で、多くの人を日本に入国させていると教えられた。ブローカーの携帯電話には「うまく(日本に)着いた」などという電話が5、6件かかっていた。自分より3日前に同じ方法で日本に入った韓国人もいるようだった。

 ――ブローカーには、いくら支払ったのか

 1300万ウォン(当時のレートで約130万円)。出国当日の4月末、喫茶店で偽造旅券と交換した。そこで両手の人さし指にイミテーションテープをつけてもらい、仁川(インチョン)空港から青森行きの便に乗った。

 ――成田や関西ではなく、なぜ青森だったのか

 ブローカーは一つの空港に集中すると危険だから、日本各地の小さな空港を使っていると言っていた。「小さな空港は審査が厳しくない」とも教えてくれた。日本のゴルフ場か温泉にでも行くふりをして、荷物を少なくしろと指示された。青森空港では入国カードに「観光目的」と書いた。

 ――テープは、どのようなものだったのか

 グニャグニャしたゴムのような感じ。皮膚の色と同じだった。ぱっと見ただけではわからない。入国審査官も気づかなかった。イミテーションテープは空港を出てから、丸めて捨ててしまった。

 ――ブローカーとは連絡が取れるか

 日本に再入国してから1週間ほどは「ほかに日本に行きたい人はいないか」と電話がかかってきた。今は、携帯電話の番号が変わったようで連絡が取れない。



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