http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008082602000269.html
(中日)

長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の会員奥野元子さん=当時(63)=が集団暴行を受けて死亡した事件で、傷害致死や犯人隠避教唆などの罪に問われた最高幹部窪田康子被告(50)の初公判が26日、長野地裁であった。被告側は傷害致死罪について「罪状は認めるが、死に至る暴行は加えていない」と一部を否認した。犯人隠避教唆罪は無罪を主張、奥野さんの次女(27)への傷害罪は「間違いありません」と認めた。

 検察側は冒頭陳述で「カルト教団内における集団リンチ事件」と指摘。窪田被告は奥野さんの背中をけったり、太ももの上に乗って平手打ちをしたりしたほか「多数の信者に命令して奥野さんに集団暴行を加えるよう指示した」と主導性を強調した。

 また、窪田被告は2005年ごろに紀元会で絶対的地位を確立させ、会員同士の結婚や殴り合いを強要したり、金魚や嘔吐(おうと)物を飲ませるなど忠誠を要求。「信者を支配してカルト化を進めた」と主張した。

 弁護側は、窪田被告が暴行に加わったことを認め「座らせた奥野さんの背中を片足で押し、チョークの粉を付けた黒板消しで顔をたたいた程度」と主張。主導性は「若い信者が競うように暴行。互いの自制心をなくしていた」と反論した。

 午後から検察側証人の尋問が始まり、奥野さんの次女が法廷に立った。引き続き奥野さんの夫(35)や長女(38)=ともに東京高裁で公判中=の尋問も予定している。

 起訴状などによると、窪田被告は昨年9月24日深夜、奥野さんの次女による窪田被告の娘への過去の言動をきっかけに、小諸市の法人施設で次女に暴行してけがを負わせた。また奥野さんを呼び出して会員約30人とともに暴行を加えて死亡させた上、奥野さんの夫に暴行が家族のもめごとだったと警察に虚偽申告するよう指示した。

 【宗教法人「紀元会」】 1970(昭和45)年に故松井健介氏が長野県小諸市に設立。手かざしや「紀元水」の販売で組織を拡大し、一時は全国に1万人の会員を獲得したとされる。昨年9月、小諸市の施設内で会員の奥野元子さんが家族や会員による集団暴行で死亡。長野県警や長野地検は一連の事件で、中学生から80代の会員ら39人を逮捕、起訴した。これまでに20人に判決が言い渡され(6人が控訴)、現在は窪田被告ら6人が公判中。

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