http://mainichi.jp/select/world/news/20080926ddm007030134000c.html
(毎日)

99年6月から9年余、南アフリカを率いたムベキ大統領が25日、正式に辞任した。

 ◇不満の声募り、任期残し
 人種隔離(アパルトヘイト)政策撤廃後、同国に全人種平等をもたらしたマンデラ前大統領から政権を引き継ぎ、経済成長を実現させた。一方で貧困層対策は後手に回り、貧富の格差が拡大するなど、その功罪は相半ばする。

 南アフリカでは10年のサッカー・ワールドカップを控え、各地でインフラ整備やビル建設などが進む。35%以上という高い失業率に直面しながらも、経済は好調を維持し急速な発展にエネルギー供給が追いつかない状態だ。

 ムベキ氏は99年の大統領就任演説で、「夜明けの始まり」と述べた。マンデラ氏による民主化達成後、必要なのは経済的な豊かさであるとの宣言だった。鉱業など基幹産業の白人系企業で、黒人企業家への資本譲渡を進め、非白人を優遇する経済参入や雇用促進を目指す「ブラック・エコノミック・エンパワーメント(BEE)」政策を推進。政権2期目の04年以降は、黒人中間層の消費が拡大。旧黒人居住区に大規模ショッピングセンターが進出し、高級車を乗り回す黒人も増えた。

 外交面では、自助努力を前提にした新しい支援の形を訴え続けた。中国やインドの台頭を背景に、資源大国である南アへの外国投資が拡大し、南ア通貨ランドは力をつけた。

 また、「アフリカン・ルネサンス(再生)」の標語を掲げ、周辺国の紛争解決や民主化促進に奔走。マンデラ氏を引き継ぐ形で「アフリカの盟主」としての実践を続けた。ジンバブエ問題でも唯一無二の調停者として与野党間の権力分担協議を実現した。

 しかし、同国でなお多数派であり、与党アフリカ民族会議(ANC)の支持層でもある黒人貧困層への対応がおろそかになった。「旅行好きで、国内を顧みない」「エイズ対策が不十分だ」。そんな不満が募り、ANCは大統領辞任を要求。来年4月までの任期を半年以上残しての辞任を強いられた。



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