http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/080930/mrt0809302027003-n1.htm
(産経)

日本相撲協会が30日、3人の外部役員(理事2人、監事1人)を起用したことで、大相撲経験者だけで構成されてきた理事会に角界外の声が届くことになった。閉鎖性が問題視されてきた理事会の透明性が高まるとの期待はあるが、議決権を持つといってもあくまで少数派。特殊な社会である角界の内情を熟知しているわけでもなく、改革の推進役になれるかは不透明だ。

 昨年の朝青龍騒動や時津風部屋の傷害致死事件、秋場所前の大麻騒動で一般常識とかけ離れた判断をし続けた相撲界。協会の最高意思決定機関である理事会に外部の人材が出席することは、画期的な改革ではある。

 これまで理事会の決定事項は発表されても、十分な質疑応答の機会はなく、完全な密室といえた。外部役員が一般常識に則した提言を行い、決定事項についても説明責任を果たせるようになれば、角界が大きく変わる可能性はある。

 しかし、外部理事が起用されたとはいえ、ほかの理事9人は大相撲経験者の親方である。「角界の常識は世間の非常識」と揶揄(やゆ)されてきたように、仮に外部理事が正論を唱えたとしても、両国の論理がまかり通ってもおかしくない。

 一方、3人の外部役員は相撲ファンではあるが、「特別なかかわりはない」と相撲界の内情に疎いことを認めている。就任直後で酷だろうが、会見で具体的な改革案が出されなかったことからも、それはうかがえた。

 強くなるためにしごき同然のけいこに耐え、師匠や番付上位者の指示に従うといった、相撲界なればこそ通じる“常識”もある。プロなのだから一般常識とかけ離れた部分があるのは当然だ。悪習を打破する必要はあるものの、長い歴史を経て培ってきた良き伝統まで破壊してしまっては本末転倒になりかねない。

 従来の役員が外部役員の意見に耳を傾ける必要があるように、外部役員が相撲界の特殊性を理解する必要もある。改革推進の起爆剤としての期待は高いが、微妙なバランス感覚を求められる協会運営が始まることになる。

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